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2012年11月28日水曜日

Roland SH-2

SUB TITLE IMAGE モノラルだし、MIDI 付いてないし、発売中は「 Roland シンセサイザー誰でも買えるシリーズ」で、10 万円くらいの普及価格帯だし、誉める部分が少ない SH シリーズですが、私はこのシリーズの 37 鍵のスタイルは好きです。

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メーカー :
 Roland
以前から SH-1 を物色していたのですが、イロイロ調べるうちに SH シリーズの中で 2VCO + LFO 搭載の SH-2 が気になっていましたが、実際の購入までに苦労しました。音です。さすがにサウンドデモもなく、記憶をたどりながら学生時の音源の中に確か友人所有の SH-2 が録音されていたのを思い出し探し当てて視聴。

いやぁ、当時は「カットオフはなるだけ閉じない。」って思ってましたので、ビョンビョン、ぴょんぴょんと鳴ってした。さすがに 2VCO は太いです。これだけでは決め手にはならなかったのですが、シンセリードで弾いているフルートっぽいサウンドを聴いたとたんに、よし、SH-2 を買おう!と決めました。
Roland SH-2 中古相場は 4 万円~ 5 万円で数も結構ありましたので、良い状態の物を選ぶことができました。

鍵盤は綺麗に光ってるしサビも無し。

ガリとノイズの具合を調べるためにヘッドフォンで試奏すると、ガリもノイズも特に無しで、保証書の日付が昭和 57 年ですから、1982 年生まれ 22 年前の機械とは思えないほど状態は良いです。

早速、遊びます。
当たり前ですが、フィルター発振します。ちゃんと VCF にキーフォローが付いてますので発振サウンドでピロリロといい感じです。Xpander がカットオフツマミの10%程度から発振することに比べたら、SH-2 はレバーを目一杯下げた状態で発振という感じです。

ちょうど反対の性格ですね。Xpander はデフォルトのマトリックスではカットオフ切れまくり、レゾナンス柔らかめといった感じが SH-2 はレゾナンスは効きは良いですがカットオフのカーブはなだらか。

Roland SH-2

取説にも書いてありますが、音源の構成として、LFO、VCO1、VCO2 という構成ですので意外と器用に音が変化します。VCO1 にはサイン波、VCO2 にはノイズがあります。パルスワイズもスライダーで可変できるし、アナログならではのアタック弱めをフォローする AUTO BEND みたいな機能もあります。

LFO も結構イロイロできるので、VCO で矩形派を選択すれば 3VCO のオルガンサウンドが出来上がり。という具合に、思っていたより音作りとそれを制御する幅は広いです。

気になる点といえば、音が先押し優先なこと(#1)とポルタメントの微妙な調整ができないことですね。それ以外は久しぶりに楽しい音源を手に入れた気分です。これで 4 音ポリだったら世界を席巻した?

Roland総合カタログVol.5より抜粋(C)Roland 2VCO、しかもサブ・オシレーターを内蔵、3VCO並の機能を発揮するシンセサイザー
2VCO+サブオシレーターで実質3VCOに匹敵する多彩な音づくりが可能です。
さらにVCO-1には従来の波形の他に正弦波をプラス、2VCOの音作りがより効果的に行えます。
またライブで圧倒的な威力を発揮するベンダー・レバーは、片方のVCOのみのチョーキングも可能、ベンダー操作で2VCO間の音程を自由に設定できます。
楽器らしさを出すために必要不可欠なディレイ・ビブラートや弦、管、人声の音の立ち上がりをよりリアルに表現するオート・ゲンドも装備!
小型ながら高級機なみの装備を誇るSH-2は、アマチュアにも気軽に使える操作性と共に、1ボルト/1オクターブに基く発展性を備えたシンセサイザーです。

■追記
#1 ちゃんと設定がありました。3種類のモードが用意されていて、GATE、GATE-TRIG、LFO となっています。

ついでに、購入前から無いとわかっていたのですが、クロスモジュレーション(リングモジュレーション)とオシレーターシンクが有りません。ただし、LFO から VCO1 をモジュレート(変調)することは可能ですので、VCO1 のレンジを下げて LFO 変調を最大にするとかなり強烈なサウンドを出します。

■追記2

結構、中古やオークションにも出ていますので、残念な点を中心に書いておきます。これは事前に知っておかないと、そんな~ってなっちゃいます。

SH2 は当時 80,000 円~ 99,800 円の普及価格帯のシンセとして発売されました。発売中の同時期機種としては JUPITER-4、6、8 などがあります。その価格の安さと意外な音の太さ(どちらかというとノイジー)から、ライブ用シンセとして結構出回りました。

判断が難しいのですが、ハードケース付きはライブに出陣していた可能性が高いでしょう。

中身を見ると判りますが、基盤がコストダウンへの努力か、1枚の基盤にゴチャゴチャと部品を載せた基盤を 10mm くらいの間隔で 3 枚重ねてあります。
私の固体は幸い中もサビ一つ無い状態だったのでよかったのですが、こういうタイプのシンセは、ライブで酷使されたりしてますので、スライダーに対する反応くらいは確かめた方がいいかと思います。ちなみにカットオフは全下げで無音までフィルタリングしてくれます。

サウンドに関しての重要な点としては、クロスモジュレーション・リングモジュレーション・オシレーターシンクは実装されていませんので、ソッチ系の音を求めるならパスした方がいいです。

ついでに、VCF のエンベロープがありません。厳密には、1、VCA のエンベロープを反映させる(反映量は設定可)。2、LFO でコントロールする。などはできますが、MINI MOOG のビョンビョンといったシンセベースサウンドの近い物はできますが、何か芯が無いというか、弾くとなおさら味がありません(笑)

LFO / VCO1 / SUB VCO-1(音量の調節のみ) / VCO2 というのがオシレーターの構成です。特徴的なのが Roland では珍しい VCO1 でのサイン波の選択です。VCO2 ではノイズが選択できます。

個人的には、外部エフェクトでディレイなんかを使ってシーケンスフレーズや裏メロでフィルター発振って具合が一番似合うのではないかと思います。

Roland は良く言えば綺麗、悪く言えば薄い。曖昧に言えば中域が詰まってるというのには当てはまらないことと、カットオフとレゾナンスの反応がスムーズで気持ち良いことが、この 2VCO 搭載機の魅力でしょうか。

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