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コメントについては記憶と手持ちのカタログなどの資料によるところが多いのでスペックなど間違いがあるかもしれません。修正を随時行いますので修正と更新の日付をつけています。
micro Q Phoenix Edition / Q Phoenix Edition / Q+ Phoenix Edition はそれぞれのオリジナルの下に画像のみ配置しています。
※掲載順序はリリース年代順です。
※Q のデモサウンドは、Waldorf 社が復活していますので其方で視聴してください。
http://www.waldorfmusic.de/
▲ 上 |
Microwave | WAVE | Microwave XT Microwave XTk Microwave II |
Pulse | Q Q Rack |
Micro Q Micro Q Keyboard |
Q+ | Rack Attack | Blofeld | ▲ 上 |
Microwave 2008/06/20最終更新 誤字脱字修正 | |
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発売開始・・・1990 年 タイプ・・・ウェーブテーブル |
発音数・・・8 特徴・・・2OSC / 1FILTER / 3ENV / 2LFO |
アナログシンセサイザー~最近のデジタルシンセサイザーへの変革の時期で言えば、Microwave がリリースされた数年後の、フルデジタルでのアナログモデリングシンセサイザーが旧来のデジタルでアナログを補う技術からアイデアをデジタル技術へ生かす方向へ向かった変換時期に Microwave はリリースされた。
後の Microwave II では回路がフルデジタル化され、名称こそ Microwave だが、PPG WAVE2.3 のコンセプトを色濃く受け継いだ Microwave と違い、Microwave II は後の Q シリーズへのモデリング技術確立への布石となるもので、両者は違ったシンセサイザーと考えた方がよい。
その特徴として、Microwave はデジタルフィルター搭載も可能な時期だったにもかかわらず、カーチス社製アナログフィルター搭載なのは、確かにその時期の他社のシンセサイザーのデジタルフィルターを触ってみれば現在のようなモデリング技術は無かったため、その Waldorf 社の選択は正しかったと言える。
サウンドは視聴してみれば分かるが、オシレータが Wave Table 方式であるのは間違いないが、後年の II / XT シリーズとは違った旧来の良き PPG シリーズが進化したサウンドとなっている。
▲ 上 |
Microwave | WAVE | Microwave XT Microwave XTk Microwave II |
Pulse | Q Q Rack |
Micro Q Micro Q Keyboard |
Q+ | Rack Attack | Blofeld | ▲ 上 |
WAVE 2008/06/20最終更新 誤字と文章訂正 | |
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発売開始・・・1995 年 タイプ・・・ウェーブテーブル |
発音数・・・16(オプション拡張で 48) 特徴・・・2OSC / 1FILTER / 4ENV / 2LFO |
この Waldorf WAVE は Waldorf 社のシンセサイザーファクトリーとしての自社技術の集大成的位置付けのシンセサイザーで、その独特の Wave Table サウンドに加え、国内価格で 120 万円という価格と大きくチルトアップする操作パネルのデザインも含めて注目されたモデルだった。
音源は PPG WAVE 2.3 を引き継ぐ Wave Table 方式で、技術的には Microwave の進化系というより豪華版。Microwave は主要回路のデジタル化とソフトウェア化で PPG WAVE シリーズに比べると線が細いなどの意見もあったが、D/A・A/D、内部回路の妥協なき設計もあり、この WAVE ではアナログでは出せないデジタルの音がとても暖かいという声が多い。
実際のところ、PPG WAVE シリーズの Wave Table の波形が Microwave で高レート高ビット化し、それに対しての音の出口回路とのバランスが取れてなかった部分を徹底的にリファインしたモデルと言った印象を受ける。
後の XTk や Q シリーズへ受け継がれる、音作りに関する主要パラメータを省略することなくノブに割り当てていく音作りがし易いユーザーインターフェイスは、この WAVE が元となっているのは明白である。

▲ 上 |
Microwave | WAVE | Microwave XT Microwave XTk Microwave II |
Pulse | Q Q Rack |
Micro Q Micro Q Keyboard |
Q+ | Rack Attack | Blofeld | ▲ 上 |
Microwave XT / Microwave XTk / Microwave II 2007/05/17最終更新 文章と画像の追加 | |
Microwave XTk![]() | Microwave II |
Microwave XT![]() | Microwave XT Black Edition![]() |
発売開始・・・1998 年 タイプ・・・ウェーブテーブル |
発音数・・・10(オプション拡張で 30) 特徴・・・2OSC / 1FILTER / 3ENV / 2LFO |
XT シリーズは、コアなファン層を掴んだ Wave Table 音源形式を搭載し、デジタル技術の進化により、後の Q シリーズにも継承されていく切れがあるモデリングフィルターを搭載したデジタルシンセサイザーである。
ただし、XTk シリーズは、確かにアナログ回路のモデリングだが Q ほど洗練されていなくて、自己発振もできるがスィープさせると音量と音圧が変化していく部分が不自然なところもある。それを良く言えば荒々しいと表現することもでき、その荒々しいフィルターの切れと、強いアタック感を支持するユーザーも多い。

私は2006年に購入したが、まだ販売中のサウンドセットもいくつかある。購入すると先行してメ ールにてファイルが送られてきて数週間してCDパッケージが海外郵便で送られてきた。
それらのパッチ集が定期的にリリースされているうちは良かったが、既知のとおり Waldorf 社の活動停止となる時期くらいから新しいパッチ集のリリースも無くなり、将来的に使えるシンセサイザーであるかどうかの不安要素が残る。

II / XT / XTk もまた生産時期による塗装と外装パーツの違いが多いモデルで、とくに α ダイヤルは多くはユーザーが旧製品から交換したと思われるが、赤、半透明赤、黒など塗装やマークの有無まで様々となっている。
右の画像は Waldorf ウェブサイトの上部にデザインアイテムとして配置してあり、存在するのか?くらいに思っていたが、ドイツの掲示板で見つけたグレーバージョン。本国ではもっと多彩なカラーバリエーションが存在したのかもしれない。
▲ 上 |
Microwave | WAVE | Microwave XT Microwave XTk Microwave II |
Pulse | Q Q Rack |
Micro Q Micro Q Keyboard |
Q+ | Rack Attack | Blofeld | ▲ 上 |
Pulse 2008/06/17最終更新 文章と画像の追加 | |
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発売開始・・・1996 年 タイプ・・・アナログ |
発音数・・・1 特徴・・・3OSC + Variable waveform / 1FILTER / 2ENV / 2LFO |
Waldorf Pulse は Waldorf 社が創設時前後(PPG 社)からデジタルシンセサイザーに取り組んできたこと(340/380 など)を考えれば初めて市場にリリースしたアナログシンセサイザーということになるかもしれない。
1990 年頃からの主力製品は Microwave II シリーズに(XT 含)見られるウェーブテーブル方式で、この Pulse リリースの翌年には XT シリーズをリリースしていることから市場での評価は高いとは言えない物であったが、そのオシレータは純アナログながらも Variable waveform というものを搭載しており、その当時市場に多く見られた DCO(デジタル IC によって波形を出力制御)シンセサイザーへの最大の利点である"温度変化によるオシレータの音程の狂い"と"サイン波基本のアナログチップでは出せない倍音を含んだ波形も出力(メモリー)できる"への Waldorf 社の一つの解答だったと思える。
DCO では波形をデジタル IC により出力しその周期(音程)をデジタル制御するのだがどのタイミングでも同じ波形で簡単に言えば有機的ではない。そこで Pulse は 3 つのアナログ OSC では出せない音への補完として"Variable waveform = 時間軸で変化する波形"を搭載している。技術的には VA(ヴァーチャルアナログ)が世に出る以前の技術であるためにこれに期待してはいけないのだが・・・
ただし、時間軸で変化していくことの意味をこれほど大事にし続けている会社は他には見ることはできない。 この Pulse 開発で培われたアナログシンセサイザー製作の技術もやがて Q の開発に生かされたのであろう。
市場に少ない実機を触る機会が偶然あり、色々と触ってみたのだが、感想はアシッドやテクノ向けのシーケンスやベース音源と言ったところだろうか。3VCO なので太いのサウンドであることは間違いない。Mini MOOG クローンぽいがそうではない。アタック感が独特というか Waldorf 社のアタックのソレでシーケンサーを使ってフィルターを回しているだけでも楽しいのだが、シーケンスフレーズやベースで有名な機種と比較すると特徴的な"棘"が無い。なんというか、よくできたアナログシンセすぎるのである。ただし、これも時代の進化で仕方ないのだが常用の CD-900ST でモニターしている限りでは、中~高域が古いシンセサイザーに見られる少し右下がりの音である。
▲ 上 |
Microwave | WAVE | Microwave XT Microwave XTk Microwave II |
Pulse | Q Q Rack |
Micro Q Micro Q Keyboard |
Q+ | Rack Attack | Blofeld | ▲ 上 |
Q / Q Rack 2012/02/05最終更新 誤字訂正 | |
Q yellow![]() Q ![]() |
Q classic blue ![]() Q RACK yellow ![]() Q RACK classic blue ![]() |
発売開始・・・1999 年 タイプ・・・アナログモデリング+ウェーブテーブル |
発音数・・・16(オプション拡張で 32) 特徴・・・3OSC / 2FILTERS / 4ENV / 3LFO |
1999 年の NAMM ショーにて発表され、デモでもその当時にリリースされていたアナログモデリングシンセサイザーである NordLead シリーズや NOVA シリーズとは違った強烈にエッジするモデリングフィルターと、ほぼ全てのパラメーターをパネル上のノブに配置した、存在感があるデザインで高い前評判を受け、同年にリリースされた。
Q は、"Waldorf と言えば Wave Table シンセサイザー"という概念を払拭させたシンセサイザーでもある。
なお、後年リリースされた OS3.2 では OSC に Wave Table を選択できるが MicroWave / XT シリーズのような複雑なことができるわけではなく、あくまでもメインはアナログモデリングオシレータで、それに色づけするときに Wave Table という選択肢もあるといった程度。
販売価格が国内価格で 38 万円と、25 万円付近で 61 鍵のフラッグシップモデルをリリースする国内メーカーのシンセサイザーと比較すれば、その価格は購入しづらい要因でもあったかもしれない。
サウンドは、3OSC がサブオシレータを含むということではなく、全てがメインオシレータであり、アナログモデリングとは分かっていても、その存在感が強烈なサウンドはまさに進化したアナログシンセサイザーと言えるだろう。もし旧年の名機に最新の D/A コンバータを搭載すれば・・・といった感じである。

▲ 上 |
Microwave | WAVE | Microwave XT Microwave XTk Microwave II |
Pulse | Q Q Rack |
Micro Q Micro Q Keyboard |
Q+ | Rack Attack | Blofeld | ▲ 上 |
Micro Q / Micro Q Keyboard 2007/05/16最終更新 | |
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発売開始・・・2000 年 タイプ・・・アナログモデリング+ウェーブテーブル |
発音数・・・25(オプション拡張で 75) 特徴・・・3OSC / 2FILTERS / 4ENV / 3LFO |
Q シリーズの廉価版という位置づけで価格も Q の同タイプ(キーボード・ラック)の 1/2 強~ 2/3 と Q シリーズ(25 万円~ 40 万円)に比べて買いやすいものだった。
上位 Q シリーズとの決定的な違いは、ユーザーインターフェイス部分のノブやスイッチ関連が大幅に省略されていることだが、音質とシンセサイズの部分はしっかりと Q の特徴を継承しており、存在感がある Waldorf アナログモデリングサウンドを出してくれる。
OS ファイルが Q シリーズと違うことから上位 Q シリーズと同じエンジンではないが、Q シリーズにて後年リリースされたバージョンに含まれるオシレータへの Wave Table アサインができたりする点は Micro Q にも受け継がれている。
回路図や OS を分析したわけではないので明言はさけるが、Waldorf 社製品はシリーズごとに使いまわしが多いので、もしかすると同じシンセサイザーエンジンなのかもしれない。ただし、A/D・D/A コンバーターが違うのか、上位 Q シリーズではモニタースピーカーのバスレフ穴から突風を出させるくらいの低音サウンドを出せるが、Micro Q を私が操作した記憶では、そこまでのレンジが広いサウンドを出すことはできなかった。

ラックシリーズには Yellow などのカラーバリエーションがある。
▲ 上 |
Microwave | WAVE | Microwave XT Microwave XTk Microwave II |
Pulse | Q Q Rack |
Micro Q Micro Q Keyboard |
Q+ | Rack Attack | Blofeld | ▲ 上 |
Q+ 2007/05/16最終更新 | |
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発売開始・・・2002 年 タイプ・・・アナログモデリング+ウェーブテーブル |
発音数・・・16(オプション拡張で 100) 特徴・・・3OSC / 2FILTERS / 4ENV / 3LFO |
Waldorf 社と言えば Wave Table 方式オシレータという認識は Waldorf 社にもあったらしく、生産ロットの単位が少なかったと思われる Q シリーズが、高い評判を受け予想以上の生産をおこなったのは、そのカラーバリエーションモデルが短期間でいくつもリリースされたことからも伺える。
そして、後年 Q シリーズに対する、どちらかというと社内チームの趣味のような感もあるが、Q に本物のアナログフィルターを搭載したモデルが Q+ である。

▲ 上 |
Microwave | WAVE | Microwave XT Microwave XTk Microwave II |
Pulse | Q Q Rack |
Micro Q Micro Q Keyboard |
Q+ | Rack Attack | Blofeld | ▲ 上 |
Rack Attack 2007/05/17最終更新 | |
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発売開始・・・2002 年 タイプ・・・アナログドラムシンセ |
発音数・・・24 特徴・・・2OSC / 1FILTER / 2ENV |
Rack Attack は、最初に VSTi のソフトシンセサイザーとして発売され、後からハードウェアとして発売されたドラムシンセサイザーで、このころに Q+ もリリースされたことから、モデリングから本物のチップへの回帰は Waldorf 社の戦略か社内的な流れだったのかもしれない。戦略だったのならばその後 Waldorf 社は倒産しているので失敗と言えるし、リリースされた時期は ACCESS Virus シリーズの台頭などどちらかというとモデリング技術の成熟期でもあったことから、やはり、Waldorf 社のシンセサイザーへの情熱が本物のアナログチップ搭載へと向かったと思いたい。

ソフトウェア版の方の Attack しか触ったことが無いので書くことができないのだが、ソフトウェア版でも十分に強烈なドイツテクノやドイツトランス系のアナログリズムの音を出してくれるので、モデリング部分をアナログチップに置き換えたハードにも更なる期待をもてる。
Rack Attack のリリース後に Waldorf 社が倒産しているので、ハードは稀に海外中古市場で見るくらいで実機を触るチャンスが無いのが残念である。
▲ 上 |
Microwave | WAVE | Microwave XT Microwave XTk Microwave II |
Pulse | Q Q Rack |
Micro Q Micro Q Keyboard |
Q+ | Rack Attack | Blofeld | ▲ 上 |
blofeld 2012/02/02 アップデートしたOSに合わせての修正 (暫定) | |
Blofeld![]() | Blofeld Keyboard![]() |
発売開始・・・2008 年 タイプ・・・アナログモデリング+ウェーブテーブル |
発音数・・・25 特徴・・・3OSC / 2FILTERS / 4ENV / 3LFO |
まさか、Waldorf 社のシンセサイザーについて追加することがあるとは!と思っていたのだが Waldorf 社復活の第一弾が Blofeld だ。
リリースされて以来、幾度かの OS のアップデートにより2012年頃の Blofeld は、PCM 素材の書き換え(メーカーオプションにて販売、もしくは追加 PCM 付バージョンの販売)を可能にし、Micro Q ベースとも言える初期のリリースから Blofeld という独立した固体として認識されるようになった。
DSP ベースのシンセサイザーなので、その価格から複雑なパッチになると発音数が3~4音と物足りなくもなるが、全体的によくできたプリセットが多く、既存の有名メーカーの音に耳が慣れてしまった中で聞くと新鮮さを感じる。
Blofeld は、昔の Waldorf のシンセサイザーのような、回しきると極端な効き方をするフィルターとレゾナンスや、ギラギラしたビットを落としたような荒い尖った高域サウンドが出るような極端な特徴を持っているわけでは無いが、個性的で良いサウンドを作れるシンセサイザーであることは間違いない。

Wave Table 搭載で旧来の Waldorf シンセサイザー的な音作りの楽しみを持ちながらも、60MB~ のフラッシュメモリーが搭載されており、そこに BLOFELD SAMPLE OPTION UPGRADE というデーターの追加を行えば、PCM 音源機能も追加されるので、その筐体の小ささと合わせて昨今の DTM システムの中へも追加導入し易いコンセプトを打ち出している。
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