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2012年12月10日月曜日

Abbey Road Brilliance Pack RS127 RS135

関連リンク
メーカー (英語>):
 Abbey Road Plugins
製品ページ(英語) :
 Brilliance Pack
日本代理店:
 Media Integration, Inc.
製品ページ :
 Abbey Road Brilliance Pack
前回の記事で、

Flux Epure II~Brainworx bx_digital V2にて“音質”と“ステレオ感”を調節したら次は音量感(音圧)の調節となります。

と書いてしまいましたが、自分の場合はその前にまだやることがいくつかあって、その中にトータルコンプをかける作業があります。そのほとんどの場合がSSL Duende Stereo Bus Compressorで薄く、GAINメーターが大きく動いても1db程度です。

いったい何をやっているのかというと、その上っ面の0db~1dbに突き出る各楽器のアタックとリリースを揃える(逆も)ことで、リリースを長くすれば演奏に一体感が短くすれば分離感がでます。
Abbey Road Brilliance Pack RS127 RS135
ということで、そのトータルコンプについてはその他NEVE 2254、NEVE 33609、FairChild 670あたりも有名ですが、

今回は「EQ調節もやった」「他の楽曲と並べるためのステレオ感の調節もやった」「ノリの調節もやった」そこまできたら次は“隠し味”です。

ちなみに私自身はMS処理で分離してコンプまでかけて逆MS処理をしてステレオLRに戻すみたいなことはやっていません。
そもそもそういう楽曲の雰囲気まで変えてしまうのならば2mixの段階でと思っていますので、プリマスタリングの最初の方で行うbx_digital V2のMS処理によるEQもミッドは分離感良く、サイドは超低域と超高域の処理くらいで他の楽曲と並べたときに違和感を感じさせないことを目的としています。
2mixのマスタートラックにMS-EQ、MS-Compを差し込んで“アレンジ”をしていくのは“曲を作る人”の“アリ”な手法で、プリマスタリングでは特に人様の楽曲を扱うときは“バレないように(笑)”だと思っています。

Abbey Road Brilliance Pack 本家製品ページ:
http://www.abbeyroadplugins.com/product_about.aspx?pid=41016

Abbey Road Brilliance Pack RS127 RS135 今回はAbbey Road Brilliance Packに含まれるRS135とRS127というプリマスタリングの隠し味的なイコライザーの紹介です。

この8KHzを+方向に2db刻みでしかブーストできない潔さ。それがRS135の全てです。
個人的には同梱のRS127も大好きで、ミックスの個別トラックで使用したりします。

RS127の方はRS135よりも設定周波数が3つに増え、ゲインも±方向にあり使い勝手が良さそうなRS135よりも優等生な印象を受けますが、使ってみると音はグイグイきます。2.7KHz、3.5KHz、10KHz。ミックスをしてEQをいじったことがある人ならピンとくるこの3つの周波数帯。
2.7KHzを+(プラス)すれば聴感上ステレオイメージが広がり、3.5KHzを+すればまるでメイントラックかのようにそのトラックを主張しだし、10KHzを+すれば一気にそのトラックがきらびやかに。

Abbey Road Brilliance Pack RS127 RS135 そういう感じでこれ以上もこれ以下もいらない素敵なイコライザーで、しかも逆の-(マイナス)ゲインでも結構使えます。

ただし、使えない事もないのですが、このRS127はプリマスタリングにはあまり向いているとは言えません。少し刺激が強すぎて曲の印象も“変えすぎる”ところがあります。ということでミックス時の単体トラックにオススメです。

ちなみに緑(単体ボックス版復刻)とグレー(ラックマウント版復刻)ではグレーの方がやや周波数が右よりっぽい印象で音も“やや”クリーンです。そうなると普段のEQでもできるわけでやはり“刺激物”な緑のRS127を選択してしまします。

マスタリングの隠し味の話に戻して、RS135ですがトータルコンプで“ノリ”を調節したけれどもどうしてもその手のコンプは下が出て上が引っ込む(正しくは上はあまり引っ込んでいません)。

Abbey Road Brilliance Pack RS127 RS135 使わなければ良いのですが、この薄くかけるコンプの下処理をするとしないとでは後のメインでかけるコンプの効き具合が全然違ってきます。
せっかく上の段でEQを一生懸命調節したのにとは思うのですが、慣れてくるとソレを見越してやるようになりますので徐々に気にならなくなります。

そして、このRS135を刺して+2dbだけゲインすると、なんというか、“うぉ、いまどきの音っ”となります。

最初のEQ調節から始まってここまで、深くEQゲインをとったりコンプをガツンとかけるようなことはせずに2mixでできあがった“曲の雰囲気”“質感”“キメ”これらを丁寧に“聴こえるようにする”プリマスタリングってそういうものだと思っています。

ここまで来て音圧(RMS)を調節する下準備ができたらいよいよコンプとリミッターの話になると思うのですが、私個人がココから先はデジタル系のマスタリングアウトボード(マキシマイザー・ファイナライザーなどと呼ばれるアウトボード)や知り合いのスタジオから寸借してアウトボードのコンプなどを使っています。

ミックス時に“こうなるのかな?”と想定して音を決めるためにWaves L3というマキシマイザー&リミッターを所有はしていますが、前述どおり“マスタリング時の予測用”としてしか使用していないためマスタリング作業そのものでそれらのプラグインを使った事がありません。

というわけで、次はその一番大事な音圧上げのマキシマイザーの話を飛ばして、最後の規格に合わせるためのリミッターの紹介になると思います。

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