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2012年12月10日月曜日

Bus Compressor(バスコンプ)を少しだけ聞き比べてみました

関連リンク
製品ページ :
 Solid State Logic Duende Native Stereo Bus Compressor
メーカー (日本代理店):
 MI7 Japan | エムアイセブン・ジャパン
製品ページ :
 Waves SSL G-Master Buss Compressor
メーカー :
 Waves
製品ページ :
 Waves PuigChild 660 & 670
メーカー :
 Waves
製品ページ(英語) :
 Nebula3 Pro Bundle
メーカー :
 Acustica
製品ページ :
 VM-Comp/Limiter – Variable MU Tube Compressor/Limiter Nebula Programs
メーカー :
 Eric Beam 1313
できあがったミックスはその製作環境の中(自宅だったり)での“自分的にOKな2mix”なわけで、それをオーディションに送ったり、音楽系サイトのマイページにUPしたりして多くの人に聞いてもらうのですが、その際に“自分的OK”→“の大体においてどんな環境で聴いてもその曲の周波数的な分布イメージと音量が伝わる”ようにしなくてはいけません。その工程をプリマスタリングと呼びます。

ちなみにマスタリングでも=プリマスタリングで伝わりますが、CDやDVDプレスを後々の展望にいれるのであれば、メディアに書き込めるデーターにする=マスタリング、音量音域を整える=プリマスタリングと使い分けておいたほうが他人と作業をするときも分かりやすくて便利です。

そのプリマスタリングにおいて、アルバムの連続した中、他のアーティストとのメディアに挟まれて試聴されるような状況において、音量、音圧感というものはそんなに無茶はできません。

できあがった2mixはほぼ間違いなく音量と音圧が低くなっていると思います。それを下処理のEQなどの話は今回は省いて、”グっ!”と音圧を上げるバスコンプというものを聞き比べてみたいと思います。
ちなみに、やり方はそんなに多くはないのですが、

・シングルバンドのコンプレッサーで音圧を上げる
・マルチバンドコンプレッサー・マルチバンドリミッター(周波数を分けてそれぞれで)で音圧を上げる
・上記を順序も色々でとにかく複合して使う

こんな感じです。私も最初はマルチバンドコンプレッサーを使用していたのですが、どうにも一体感が崩れるような気がしているところにハードウェア高級機でのその音を聴いて、ソフトウェアのマルチバンドコンプは使うのはやめようと思いました。てなわけで、現在はシングルバンドコンプレッサーで試行錯誤しながらやっています。

Bus Compressor(バスコンプ)を少しだけ聞き比べてみました いわゆるバスコンプというやつですが、普通のコンプは多々ありますが、そういうミックスバスに挿して全体のノリと音量感を整えるのを得意とするコンプはそんなに種類はない気がします。
今回はテストしたのは、かれこれずっと使っているSSL Duende Native Stereo Bus CompressorとWaves SSL G-Master Buss Compressor、この2つは単純に聞き比べてみたかったんです。
それとWaves PuigChild 660 & 670とNebula3 Pro + VM-Comp/Limiter – Variable MU Tube Compressor/Limiter Nebula Programsです。

Nebula3ってかなり馴染みがないプラグインだと思います。数段階のIRデーターを元にオリジナルハードの特性を再現するForcusrite Liquid Mixのソフトウェア版のようなもののようなものです(笑)
すごく高音質で負荷も高いのですが、何分、差し込むIR+プログラムデーターが少なくて、なんとも“お勧めはしにくい”プラグインなのです。私もメーカーバンドルデーターなどは全部削除して今回使用しているVariable MU Tube Compressor/Limiter Nebula Programs専用のプラグインとして使っています。

その他にも。有名どころではNEVE33609などもありますが、UADは持っていなったり、そもそもこの手のコンプは定番で種類は少ないくせにプラグインは少ないし高い!ということで割愛。
Waves2種も試用期限付のDEMO版ですのでもしかすると音が製品版とは若干異なるかもしれません。

今回はいつもにまして前置きが長い!

では、早速。

オリジナル曲は素材集のデモ曲です。
※すべての素材は16bit/44KHz、ミックスは32bitFlotでのインサートによるエフェクトで16bitへのディザリングはMT-rです。 ページ上で試聴できるサンプルは16bit/44.1KHzのWAVです。

■オリジナル曲



SSL Duende Native Stereo Bus Compressor 最初はこれ。
SSL Duende Native Stereo Bus Compressorです。有名です。一時期ポップスはこのコンプを通した音しかCDは出ていなかった気もします(笑)
キックドラム付近をクッキリ、そこから耳に気持ちが良い中域までを左右にしっかり分離。高域はややマイルド。

ミックスもこれを通すことを前提にバランスをとってしまうくらい、結果が予想しやすくイイ音です。
狂気的な流行は過ぎましたが今でもバリバリ最前線で使えます。

グラフは曲の最初から最後までの周波数分布の平均値で黄色がオリジナルで、白がSSL Bus Compを通した音です。青のラインが示すとおり、60~180Hzが持ち上がり1KHz~2KHzは下げ、そこから上はなだらかに下がっています。

製品ページ :
 Solid State Logic Duende Native Stereo Bus Compressor
メーカー (日本代理店):
 MI7 Japan | エムアイセブン・ジャパン


Waves SSL G-Master Buss Compressor WavesはRenaissance BundleとL3-16くらいしか持っていないないのですが、今回DEMO版を使ってみてこのモデリング~アーティストシリーズは音がイイなぁと思っちゃいました。

で、このWaves SSL G-Master Buss Compressor本家SSLと聞き比べです。なんていうかどちらのプラグインもBusCompの特徴をよく捕らえていると思います。Wavesの方がやや低域の押しが強いのと高域に向かっての落ち込みがなんとなく滑らかじゃないような気がしました。

ただし、私はDuende PCIeのハード所有ユーザーですのでソレゆえの”強がりプラシーボ ”かもしれません(笑)

グラフは曲の最初から最後までの周波数分布の平均値で黄色がオリジナルで、白がWaves Bus Compを通した音です。

製品ページ :
 Waves SSL G-Master Buss Compressor
メーカー :
 Waves

Waves PuigChild 660 & 670 次からはいわゆるオール真空管コンプです。有名なFairchild 660 /670を模したプラグインは各社多数出ていますが今回はWaves PuigChild 660 & 670です。
もちろん他のも試してみたのですが、このWavesの新しい660はとてもよくできていると感じました。
このVariable Mu形式というのは適当に訳せば“真空管の挙動は入力出力ゲインによって可変しちゃうよ”てところです。そして何か中二臭くてカッコいい”Variable Mu”という名称はMANLEY社の登録商標で他では見ることはできません。ですが機械的なコンセプトと中身については660が先でMANLEY社のVari Muコンプ/リミッターはそれを現代的に模したと明言しています。

そういうわけでたった2機種(厳密には違います!今回は聞き比べがメインなので注釈・文章ともに細かい部分は割愛)しかないこのVariable Mu形式をバスコンプとして使用するとこうなります。
グラフは曲の最初から最後までの周波数分布の平均値で黄色がオリジナルで、白がWaves PuigChild 660 & 670を通した音です。

660はしっかり低域が座り中高域のセンターとステレオ感をしっかりと分ける演出をしています。製造された順でその後作られたSSL BusCompは660と差し替えると”派手だねぇ”といった感じです。

製品ページ :
 Waves PuigChild 660 & 670
メーカー :
 Waves

Nebula3 Pro Bundle 最後は上記660の製造コンセプトを受けついた某M社のVariable Mu形式リミッターコンプを再現させたいがためだけに買ってしまったNebula3 Pro Bundleです。

Variable Muの名称の商標登録のせいもあってほんと分かりにくく、しかも前期型と後期型があり、個人的には前期型が好きなのですが、その雰囲気を知っている限りの他社のものより一番それっぽいと思います。ただし、「Nebula3、なにそれ?」てくらい知名度が低いです。しかもその本社がバンドルしているその他機種のデータがこれまた・・・で社外のIRプログラムを買うというメンドクササです。

そして1つのIRデータ込みプログラムが25MB~50MBと初期起動の時間のかかり方にウンザリなので ウチではこのVM-Comp/Limiter – Variable MU Tube Compressor/Limiter Nebula Programs以外のデータは全て削除しました。

そんな”どうしてアンタはそんなふうに育ったの”的なプラグインなわけですが、 この多分ですが前期Vari-Muの音を出してくれるから止められません(笑)
グラフは曲の最初から最後までの周波数分布の平均値で黄色がオリジナルで、白がVariable MU Tube Compressor/Limiter Nebulaを通した音です。
なお、Nebula 3はFREE版もあるのですが、このVariable MU Tube Compressor/Limiter Nebula(15ドル)はNebula 3 PRO(139ドル)でしか動きませんので計154ドルになります。
IRデータプログラムが安いわけは、コンプのレシオをいじれなかったりコンプと思って買って駄目なためです。Vari-Muを通した音をIRで再現するプログラムということですのでご注意ください。

製品ページ(英語) :
 Nebula3 Pro Bundle
メーカー :
 Acustica
製品ページ :
 VM-Comp/Limiter – Variable MU Tube Compressor/Limiter Nebula Programs
メーカー :
 Eric Beam 1313

こうやって客観的に聞き比べてみると、やっぱりSSL BusCompの芯はしっかり外側は派手にが好みかなぁと思いつつ、VM-TUBEも最近ぽくていいねぇということでこの2つを併用したり片一方だったりの使い方となりそうです。自分的には“結局、今までどおり”なのね。となりました(笑)

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