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2012年12月15日土曜日

Mellowmuse Software EQ2V

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メーカー :
 Mellowmuse SoftwareInc.
製品ページ :
 EQ2V
各トラックに差し込むEQとコンプってSONARなどではトラックの標準の機能として装備されていたりするのですが、Pro Toolsにはそういうのはありません。「自分の卓は自分で作れよ」てな具合です。

で、基本的にウチではSSL DuendeのClassic SSL Console Channel Strip(メーカー製品ページ:http://www.solid-state-logic.com/Music/Duende/Channel/index.asp)が刺さります。

SSL Duende Classic SSL Console Channel Strip 基本的な音作りはDuendeでやっちゃうのですが、その前後の不要な音を削ったり、追加したりで別途違うEQやコンプを単体で用意することになります。

なんといっても低域の削りと最後のパリっではPultec EQP-1Aを模したsoftube tubetech PE 1C(メーカー製品ページ:http://softube.se/tubetech_pe1c.php)が素敵なのですが、スタジオ関係者なら何となくご理解いただけるとおり、良い状態の実機のEQP-1Aってすごく高いんです(笑)

数もそんなに所有できないから「ここぞっ!」ってトラックに挿しちゃう感覚的な癖がついちゃってます。

softube tubetech PE 1C 数もそんなに所有できないから「ここぞっ!」ってトラックに挿しちゃう感覚的な癖がついちゃってます。

現実的に全チャンネルEQP-1Aを差し込んだらモコモコギュッギュッになっちゃうので、やっぱり、特別なトラックにのみ使うのが良い具合に収まるんじゃないかと思っています。

NEVE 1073 というわけで、そのEQP-1Aよりも日常的に使えチャンネルストリップとの相性も良いのがNEVE 1073というイコライザーです。

NEVE社はミキサー卓を作っていたくらいの有名メーカーですから、1073や1081はそのまま埋め込まれていたり、他のミキサーへインサートしやすいようなビルトインタイプがあったりします。そういう“後付け”も意識されたモノですので他の機器との音質的な組み合わせの使い勝手がよいとよく言われます。私がお世話になったのは1081の方で1073にもう一つバンドを足してQが少しキビキビした感じがする方です。ともかくこの1073、1081は多くのエンジニアの方に好まれた“もう一つのEQ”です。

相変わらず本題に入るのが遅いのですが、そういうNEVE 1073を求めてUAD-2(NEVE社から正式ライセンスを受けています)の導入も考えましたがパソコンの事情により(空きスロットが無い)ソフトウェアプラグインのStillwell Audioの1973を+αで使い勝手も良いことからよく使っていました。

が、

見た目ですよ。見た目。

もう、いまやSoftube社しかり、音質やソフトウェアとしての精度はどこのメーカーも熟成期に入っていると思うのです。となると、ユーザーが選ぶのはもう見た目しかないんじゃないかと(笑)

そういう時期にMellowmuse社(http://www.mellowmuse.com/)がリリースしたのがEQ2V Vintage Equalizer(製品ページ:http://www.mellowmuse.com/EQ2V.html)です。

EQ2V Vintage Equalizer

なんといってもMellowmuse社はRTAS(Pro Toolsのプラグイン規格)版も同時リリースで何かと楽ちんです。
これを書きながらの事ですが、現在、楽曲製作の“ミックス時”にはDuendeのClassic SSL Console Channel Stripを中心に前後にsoftube tubetech PE 1CかMellowmuse EQ2Vのこの“3つ”しかEQは使わなくなりました。(プリマスタリングはまた別の話です)

EQ2V Vintage Equalizer EQ2Vの特徴としては、ヴィンテージというか1073らしくゲインを目いっぱい上げ下げしたときのQカーブの飽和感とかよく“その感じ”が出ています。特に気に入ったのは左端のローパスフィルターで、これの低域の切れ方は変な歪みも無くとても気持ちいいです。

もちろん前述のとおり“メインと組み合わせて”みたいな元々の性格上、Low Shelf, 35hz - 300hz、Mid Band, 300hz - 8.0khz、High Shelf, 8.0khz - 16.0khz、High Pass, 50hz - 400hz
と、設定できる周波数帯は偏っています。具体的にいうとベル型のLow MidやHigh Midが無いので無理矢理そうしたいのならハイパスで削りながらローを上げるみたいなことをしなくてはいけません。

とはいいつつ、そういうのはコンプとメインEQでやってしまうので、コンプの前の不要な音の削り、メインの後の“あと一ひねり”では十分な機能であり、やはり、そのゲインを上げ下げしたときの音の良さを考えると必要にして十分な機能のEQだと思います。

ついでにいろいろと採集してみた“目で見る比較”です。
3.2KHzを+15dbしてみました。

EQ2V Vintage Equalizer
±15dbまでしかないのはそこまでしか音楽的にゲインできないともいえ、EQ2Vはどういじってもとりあえずちゃんとした音でイコライジングできます。
ちなみにオーバーサンプリングモード、64bit(擬似?)で演算しているそうです。

ある意味、歪んでしまうのでオーバーサンプリングモードでしか使えないけれど±20dbにQタイプをノーマル、ワイド、周波数帯による可変の3種をもち、これでデザインがアレならぶっちゃけずっと使っていたいEQです。感じはノーマルではEQ2Vよりシャープ、可変にするといい感じに1073です。

そしてウチではミックスダウンでは出番がないものの、プリマスタリングでは微妙に役に立つため手放せないPowercore版のOxford EQです。
やっぱりなんていうかDuendeを持っていなければこれの24bit TYPE-1で作業するだろうなぁみたいな優等生なEQです。今回のテストでも1073よりEQ2Vに音質は近かったです。

そんなこんなで、作曲とミックスにEQ2Vを使い始めました。
以前、ある方とこんなことを話したことがあります。

「スペアナもついててグラフィカルでマウスでポイントをチョイチョイみたいなEQで“位相はずれません”とかスゴイ時代ですよね」
「そういうの多いですよね。」
「ていうか、ノブを回して位相がずれない歪まないEQって気持ち悪くないですか?」
「ですよね。EQって歪むもんだもん。要はその歪み方がどう気持ちいいかが名機の証ですよね。」

「どのEQがお勧めですか?」みたいな質問もよく聞きますが、今はちょうど“何でもあり”な時代ですし、とにかく一つのEQをとことん使ってみることだと思います。それを核にして、足りないからこういうのないかな?で2~3個追加していけばいいし、しっかりと使いこなせれば、

見た目で選んで良し(笑)

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